食育について考える

食育=生きる力を育むこと

食は大事、栄養バランスは大事・・・そんなことはもうわかっている、

という方も多いのではないでしょうか。

食を通してマナーや心身の健康、文化、そして環境を考えることはとても大切です。

でも、その前にもっともっと大切なことがあります。

 

それは、食事をみんなで楽しむ、ということ。

 

食事の時間は、身体と同じくらいに心にとっても栄養補給の場なのです。

家族や仲間とコミュニケーションをとり、

笑い合いながら同じものを食べ、味覚を共有する。

そして、同じ食材について

「これ美味しいね」「この野菜、何?」等

一緒に食べているものについて考えていく。

 

このような時間や体験を通じて、家族みんながお互いの存在価値を認め合うことで、

子どもは他者との関わり方を学び、ストレスに打ち勝つ社会に出る時の強い心を育みます。

 

そんな観点から、普段の食を少し見つめなおしてみませんか。

子どもが自分で考えることの大切さ

一昔前の日本では、食事は生きるための大事な仕事でした。

お父さんが畑で採った野菜をお母さんが料理して

食卓に並ぶまでの一連の流れが子どもにも直接見えていたでしょう。

 

しかし、今日、都会には畑が無くなり、

多くのお父さんお母さんが「食べる」こととは関係ないの仕事をしているので、

子どもたちにとって、食事がどこからどのように食卓までやってきているの

とても分かりずらい世の中になっています。

 

それは、私たち大人にとっても同じかもしれません。

 

でも、間違いなく毎日の食材は誰かの手によって育てられ、

料理されて食卓に並んでいます。

 

子ども自身がこの一連の食の流れを体験することは、

自分が何によって生かされているかのルーツを知ることになります。

 

畑作業や釣り、料理など、食べることにつながるような体験を

ぜひ一緒にたくさん楽しんでください。

そして、自分と社会とのつながりを感じる機会を増やしてあげてください。

 

子どもが自分で考えて食べることは、

人間の基礎となる土台をしっかり作ることなのです。

 

食育基本法とは

(平成17年6月10日に成立、同年7月15日に施行された法律)

前文

「子どもたちが豊かな人間性を育み、生きる力を身に着けていくためには、何よりも「食」が重要である。…食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付ける。…子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性を育んでいく基礎となるもの。」

食育で掲げる6つの目標

〈食の重要性〉

食の重要性、食事の喜び、楽しさを理解する。

〈心身の健康〉

心身の成長や健康の保持増進の上で望ましい栄養や食事のとり方を理解し、自ら管理していく能力を身に着ける。

〈食品を選択する能力〉

正しい知識・情報に基づいて、食物の品質及び安全性等について自ら判断できる能力を身に着ける。


〈感謝の心〉

食物を大事にし、食物の生産などにかかわる人々へ感謝する心を持つ。

〈社会性〉

食事のマナーや食事を通じた人間関係形成能力を身に着ける。

〈食文化〉

各地域の産物、食文化や食にかかわる歴史等を理解し、尊重する心を持つ。


食品添加物と私たち

自分たちの口に入る食べ物は、

牧畜、酪農を含む農家さんや漁師さんの労力、

加工する方たちの労力、

お店まで運ぶ人の労力、

そして調理する人の労力があって、初めて出来上がります。

 

本来、食べ物は地元で作られるもの以外は保存性が悪く食することはできませんでした。

現代は流通の整備と、食品添加物という魔法のおかげで、

遠くから時間をかけてきたものでも腐らず、品質も変わらず、

色は鮮やかなまま売られています。

 

ありがたい反面、この魔法はくず野菜、くず肉でも食品にしてしまうのです。

 

漂白剤で白くし、塩素プールにつけて消毒をし、

保存料や増粘剤、たんぱく加水分解物を加えたものがスーパーに並んでいても、

見栄えはよく、どんな工程を経てきたかなどわかりません。

そしてそれを親が買えば、子どもは当たり前にそれを食べます。

それが当たり前になってしまえば違和感なく食べ続けて大人になり、

自分でもそういった食品を選ぶようになるでしょう。

 

人間本来が持っている代謝の力が食品添加物によって弱まると、

糖尿病、メタボリックシンドローム、脳疾患など、

様々な生活習慣病のリスクが高くなります。

また、食品添加物の中には発がん性物質の存在も数多く報告されています。

 

実際に2人に1人ががんを患う現代、これは決して考えすぎ、等と

言っていられるレベルではありません。

 

かといって、1からすべて自分で手作りすることは現実的には難しいことです

 

大切なのは、頑張りすぎることではなく

事実を知り、選択する力をつけること。

 

食品の裏側には添加物が記載されています。

生産者さん、食品メーカーさんの中には添加物はほとんど使用せずに、

昔ながらの製法で作り続けているところもあります。

食品を買うときには値段だけではなく、せめて原材料表示を一読してから、

購入するかしないかを決めたいものです。

 

添加物の少ない表示は生産者側から私たちへのラブレターだと受け止め、

応援していくことが大切です。

よりよい食品を消費者が選択していけば、

現在の食品業界の流れも変えることができるはずです。

 

また、スーパーで山のように陳列している

ドレッシング、出汁、漬物などは、

実は家でも簡単にできるものです。

 

良い素材を使ってシンプルに作れば

味をごまかす添加物を入れる必要などないことがすぐにわかるでしょう。

 

毎日、何品も揃えるような派手な食事をする必要はありません。

しかしたとえ派手さはなくても、本物の味で、

子どもの味覚は育ててあげたいものだと日々感じています。